筋膜という言葉は一般の人は聞きなれない言葉かもしれません。
近年は雑誌や書籍などで取り上げられることも増えたので聞いたことがある人もいるかと思います。

実はこの筋膜に腰痛改善のカギが潜んでいます。
腰痛のクライアント様の施術をするときにほとんど腰部を触りません。
腰にはまったく触らない人の方が多いです。

他の症状に関しても、例えば肩こりの人でも肩には施術しないことがほとんどです。

それで患部が楽になるので、皆さんとても不思議がります。
でも魔法や念力を使ったわけでもなく、理にかなったことを行なえば患部を触らずとも楽になることが可能です。

その秘密は筋膜にあります。
筋膜の繋がりを考慮して施術しているのです。

このページでは腰痛と筋膜の関係について解説します。

筋膜と筋肉の役割の違い

筋肉という言葉は誰でも聞いたことがあると思いますが、筋膜は聞き慣れない人の方が多いと思います。
ここは専門家向けのサイトではありませんので、 筋膜についておおざっぱに説明しますね。

筋膜とは筋肉を包んでいる膜のことです。
ソーセージの中身が筋肉とすると、ソーセージの皮の部分が筋膜だと思ってください。

実際には、筋繊維の一本一本も筋膜で包まれていますし骨や靭帯にも筋膜がありますがここでは省略します。
わかりやすくするために、筋肉を包む膜ということをイメージしていただければ結構です。

筋肉の働き

筋肉の大きな働きの1つは体を動かすことです。
筋肉が収縮することで骨格が動きます。
筋肉の役割は体を動かすものと捉えてください。

筋膜の役割

一方、筋膜は動かすのではなく体を支える役割を果たしています。
理科室の骨格模型が立っていられるのは、真ん中に鉄の支柱が入っているからです。

骨と筋肉だけですとグニャグニャにつぶれてしまいます。
体の構造を支えているは筋膜があるからなのです。

ということは、筋肉が正常だとしても筋膜にトラブルが生じていると、骨格や筋肉のバランスが歪みます。
筋膜のテンションのバランスが崩れると、よい姿勢を維持する為に筋肉が頑張らなくてはいけなくなりますから、疲れやすくなったり、コリが生じやすくなります。

その状態が進行すると、痛みやしびれが生じることになります。

痛みの元は筋膜にあった

筋肉痛という言葉がありますが、神経の多くは筋肉の内部よりも表面の筋膜に存在します。
つまり、筋肉痛は筋膜痛というほうがより正しい言い方と言えるでしょう。

関節や筋肉の痛みと思っていたのが、実は筋膜の異常で痛みを作り出していることが多いのです。
だから筋膜の異常、つまり筋膜の緊張を解放してあげることが疼痛を和らげるカギになります。

上手なマッサージ師や整体師の先生に施術されると、とても身体が楽になったりしますが、そういう先生はたとえ筋膜という言葉を知らなくても、筋膜にアプローチしていることが多いのです。

グイグイ力を入れて押されてただ痛いだけの施術をする先生もいれば、軽い力なのにすごく効いている実感が得られる施術をする先生もいます。

私は最小限の力でいかによりよい効果を出せるかということを意識して技術を改良してきました。
筋膜を意識するようになってから、施術に力も使わなくなり、患部にもほとんど触れないで短時間で施術を終えるようになったのです。

なぜ腰を触らずに腰痛が改善するのか?

筋膜は全身に張りめぐらされています。
全身覆うタイツを想像してください。
ウェットスーツよりももっとピッタリ体にフィットしていてしかも丈夫で薄いタイツです。

筋膜はそのような感じで全身を覆っています。

解剖学的には、「ここからここが腰」とか「ここが脚」」とか決められていますが、本来全身のすべてのパーツが連動して協力して動くようになっています。

だから、ある動作をしたときに腰痛があるとしても、腰だけ見ていたらダメなのです。
腰に負担がかかるようなバランスを調整することが大切なのです。

筋膜のことを研究すると、足指の筋膜の調整で首の可動域が改善したり、腕の筋膜の調整で腰が楽になったりということも起こります。

血流障害と筋膜の緊張

腰痛の原因は、腰部の血流が悪くなっていることです。
腰部の筋肉に負担がかかっているのです。

そこで、腰の筋肉をほぐしたり温めたりすれば血行が良くなり、痛みも和らぎます。

私もかつてはそのような施術をしていましたが、現在ではそこからもう一歩進んで、腰部の筋肉に負担がかかっている原因を探るようにしています。

そして、多くの場合、腰とはまったく無関係に思えるような部位に奥の原因が潜んでいるのです。
そんな部位の筋膜に異常が起きているのですが、クライアント本人はその部位に対する自覚症状はありません。

でも、触ってみると痛みがあったり、つっぱっていたり、動きが悪くなっていたりするのです。
当院ではそのような部位に対して施術を行ないます。

すると患部の負担も取れて早く楽になるし、施術効果も長続きしやすくなるのです。